ビクトリノックスの歴史

ビクトリノックスは、1860年にスイスで帽子工場を営む夫婦の間に、4番目の息子として生まれたカール・エルズナーが1884年に創業しました。
ドイツやフランスで修行を積み重ね腕を磨いた彼のナイフは、やがて、素晴らしいと人づてに知られるようになっていきました。
彼の名を一躍有名にしたのは、1891年にスイス陸軍に納入した「ソルジャーナイフ」です。スイス陸軍は装備品のナイフの納入を、それまでドイツ刃物産業の中心地ゾーリンゲンから購入するのを慣例としていましたが、前例をひるがえし、母国スイスから購入することを決めました。
その後、いくつものポケットツールが考案され、現在のビクトリノックスの原形ともいえる「オフィサーナイフ」が開発されます。
このモデルには、メインブレード、イレーシングブレード（小刃）、穴開け、缶切り、スクリュードライバー、コルク抜きの6つのパーツが装備されていました。
1897年に特許を取得し、またたく間に人気を集め、海外からもさばき切れないほどの注文が押し寄せるようになりました。
その後類似品が数多く出回るようになったため、1909年類似品と区別するために赤いハンドル部分にスイスの国章である白十字を入れるようになります。
現在も、その使用をスイスから認められ、世界に多くの愛好者を持つ独創的なデザインとなっています。

ちなみに、「VICTORINOX（ビクトリノックス）」の名前は、カール･エルズナーの母「VICTORIA（ビクトリア）」と、ステンレススチールの国際的な名称である「INOX（イノックス）」を組み合わせたものです。